最新シングルは今ある13人体制の“最初で最後”の作品。昨年加入の17期メンバーも表情がより豊かに

――最新シングル『なんだかセンチメンタルな時の歌/最KIYOU』は、10期メンバーである石田亜佑美さんの今秋をもっての卒業を控えた作品となります。

牧野真莉愛(以下、牧野) 現在の13人体制では“最初で最後のシングル”になりました。(2023年11月に前リーダーで9期メンバーの)譜久村(聖)さんが卒業されてからはグループの歌声が変わり、譜久村さんの偉大さをステージで感じる瞬間もあったし、現体制でのシングル発売を聞いたときは不安もあってドキドキだったんです。でも、珍しく過去を振り返る「なんだかセンチメンタルな時の歌」は、在籍期間の長いメンバーも多いグループへのつんく♂さんからのメッセージのように感じたし、かたや「最KIYOU」はメンバーのソロパートが多い曲で、2曲を通して“今の13人でシングルを出す意味”がより伝わる作品になりました。

――モーニング娘。’24は、卒業と加入を繰り返すのも象徴的です。誰かの卒業発表から卒業当日までは、グループの空気感も変わりますか?

牧野 毎回、自然な変化があると思っています。メンバーの卒業が決まると最後の日に向かって頑張れますし、団結力が強まるのはグループのよさだとも思うんです。今は、石田さんが卒業される日に向かって、一致団結しています。

井上春華(以下、井上) 石田さんの卒業を聞いてからは、コンサートでも「この曲をパフォーマンスしている石田さんが見られるのは最後かもしれない」と思っていますし、舞台袖からその姿をよりじっくり見るようになりました。レッスンでは、ダンスが得意な石田さんからアドバイスをいただいて、練習にも付き添ってくださいますし、卒業される日までにたくさん吸収したいです。

――そんな思いもにじむ最新シングル収録曲のレコーディング、MV撮影はいかがでしたか?

牧野 フロアを使ってゴロゴロするダンスが「なんだかセンチメンタルな時の歌」の振り入れでは難しかったです。MV撮影では、静電気との戦いもありました。フロアで踊るために柔らかいマットを敷いてくださったんですけど、静電気がたまるのでメンバー同士が近づくとおたがいに“バチンッ!”となるんです(笑)。用意された静電気防止スプレーも使い切ってしまったので、ミストを浴びながら撮影を続けました。「最KIYOU」は初めてお会いするディレクターの方がレコーディングに立ち会ってくださって、メンバーを理解しようとする想いがと伝わってきたんです。レコーディングでは「牧野さんは器用ですか? 不器用ですか?」と聞かれて「絵が得意なので手先が器用です」といったやり取りもありました。

井上 最初「なんだかセンチメンタルな時の歌」を聴いたときは、過去を振り返る内容に「何だコレは!」とビックリしました。でも今は、共感できる歌詞がすっかり体になじんでいます。「最KIYOU」は(15期メンバーの山﨑愛生による)フェイクではじまったり、途中でラップがあったりと、曲の展開が楽しいです。MVでは、メンバーが四角いスポットライトで照らされるシーンがあるんですけど、何だか「横断歩道みたい」と思って面白かったです(笑)。

――(笑)。撮影への参加は2023年10月リリースの「すっごいFEVER!/Wake-up Call~目覚めるとき~/Neverending Shine」以来、2度目でした。

井上 MV撮影の時間は長く、前回は終盤になるにつれて目を開けづらくなってしまったんです。今回は目薬を準備して、バッチリ対策しました(笑)。

牧野 アハハ(笑)。(共に17期メンバーの)はるちゃん(井上)もげったー(弓桁朱琴)も表情がめっちゃよくなったと思ったんです。前回はダンスの先生と一緒に「頑張れ!」と見守っていたんですけど、今回は最初から最後まで堂々としていました。