渡辺徹さんはベテランなのに全然壁を作らない懐が深い人

――撮影の大半は静岡で行われたそうですが、どんなことが思い出に残っていますか。

本田 ロケ地がイチゴの名産地で、イチゴが本当に美味しかったですね。イチゴ農家さんにイチゴをおすそ分けしてもらったり、イチゴのジェラートをいただいたり。

辻本 作品の中でもイチゴを食べていたけど、作品が終わってからも食べていたよね。

本田 イチゴ農家さんの場所を貸していただけただけでも御の字なのに、差し入れまでいただいちゃってありがたかったです。

勇翔 映画の公式Xのイラストも、SOMEDAYSの各々のキャラクターに合わせたイチゴのキャラクターになっているんです。

――地元の人と触れ合う機会もあったんですか。

辻本 ライブシーンで集まってくれたお客さんは、僕らのファンの方も駆け付けてくれたんですが、地元の方も来てくださいました。

勇翔 そもそも今回の制作チームが静岡の会社で、スタッフさんも地元の方が多かったんです。

――現場の雰囲気はどんな感じでしたか。

本田 和気あいあいとしていました。

辻本 かつてないくらい、ぴりつく瞬間が一切なくて、ただただ楽しくているのが、そのまま作品の空気に出ていると思います。撮影が始まる前から、みんなで仲良く話していて、カメラが回ってバチンと切り替えるというよりは、そのまんまの流れで撮影に入って、カットがかかったら、また違う話題を同じように話すという感じの繰り返しだったんです。

本田 がっつり気持ちを切り替えたのはシリアスなシーンぐらいだよね。こんなことはなかなかないですけど、温浴施設で皆さんと裸の付き合いをした上で撮影をしているので、それが良かったのかもしれないですね。お風呂で語り合わなくても、お互いすっぽんぽんだから分かり合える(笑)。

――西尾まうさんとの共演はいかがでしたか。

勇翔 僕は何作か一緒にやらせていただいています。前に今回と同じ製作チームでやったときも僕とまうさんは近い間柄の役で出ていましたし、別の作品では夫婦役もやっているので、仲良くさせていただいています。

辻本 二人は関係性ができているから、そうなると2:3になりやすいじゃないですか。そうならないように人見知り3人衆(辻本・平松・本田)も頑張りました。

――え?人見知りなんですか。

辻本 まあ、そうですね。

勇翔 そんなことないでしょう(笑)。

辻本 俺は「行くぞ!」ってスイッチを入れるからさ。

勇翔 それができるってことは人見知りじゃないでしょう。

辻本 まあ、そうか。それで言うと、二人もできるんじゃない?

平松 するする。

本田 僕はやる人がいなければする。ただ僕のスイッチの入れ方ってインタビュアーさんみたいになっちゃうんですよ。仕事モードで、「ご出身は?」みたいな(笑)。

辻本 僕ら3人が、まうさんと初めてお会いしたのは、撮影の前にあった劇中歌のレコーディングで。静岡駅からハイエースに乗ってレコーディングスタジオまで行ったんですけど、行く途中で静岡のハンバーグを食べさせてもらって。そのときにハンバーグを囲んで、やいのやいの話したから仲良くなれたところもあります。

本田 あのハンバーグの時間は大事だったね。

辻本 まうさんは人間性が素晴らしいから。仲良くなりやすいよね。

平松 ずっと心の扉を広げてくれているから、話しかけやすいんですよね。

本田 おすましさんじゃないのが、僕らとしては居心地が良かった。

平松 ボケもするし、ツッコんでもくれるし。

辻本 男風呂と女風呂の違いはあるけど、同じ温浴施設に入っているわけだから、同じ泉質に浸かっている仲間(笑)。

平松 撮影後に「サウナしきじ」にも一緒に行ったんですよ。

――サウナファンにはお馴染みの施設ですね。

辻本 クランクインしてから、「いつか一緒に行きたいね」って話しをしていて、撮影が早く終わって全員のタイミングが合う日があったので、一緒にしきじまで行きました。普通だったら僕らだけで行きますけど、そのくらいまうさんと仲良くなれたから、作品にもプラスだったんじゃないかなと思います。

――本作が遺作となった渡辺徹さんの印象はいかがでしたか。

本田 懐が深くて、ベテランでいらっしゃるのに全然壁を作らないので、すごく話しやすかったです。

辻本 とにかく優しくて、柔らかかったよね。

平松 現場で待ち時間が結構あって、幾つか椅子が用意されていて、渡辺さんが真ん中に座られたんです。誰もが知っている大御所の俳優さんだから、こっちも緊張するというか、どんなお話をしたらいいのか戸惑っていて。最初は横に座るのも恐る恐るだったんですけど、そのときに辻本くんが怪我をしていて、「今怪我をしているんです」という話題を皮切りに、最終的にはみんな渡辺さんの周りに集まりました。

本田 徹さんを囲む会だったよね。古き良き芸能界のお話をたくさん聞かせていただきました。

辻本 エピソードも面白いんですよ。徹さんも、過去に撮影で5メートルぐらい上から飛び降りて、膝の靭帯を切ったらしいんです。でも当時は怪我をしても、「怪我をした」なんて言えないから、そのまま決めポーズをしたんだよというお話をされていて。

平松 だから、どのメンバーよりも辻本のケガへの理解が深かったです(笑)。