大学卒業後に養成所に通って初心に帰ることができた

――キャリアについてお伺いします。百瀬さんは子役の経験があるんですよね。

百瀬 そうですね。劇団四季の『ライオンキング』を観に行って、家に帰ってからシンバの真似をしていたらしいんです。それを見た母親が、「これだ!」と思って、関西の事務所に履歴書を送ったと言っていました。ただ学業に専念する時期もあって、大学進学で上京してから、本格的に俳優活動を始めました。

――久具さんがお芝居を始めたのはいつ頃ですか?

久具 地元・名古屋の大学で演劇を始めて4年間やっていました。お芝居に興味を持ったきっかけは小学5年生のときに、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を観て、圧倒的な世界観を目の当たりにして、「なんじゃこりゃ!」と思って。それからずっと俳優業に興味があって、高校時代もいろんな事務所に書類を出したんですけど全部落ちてしまいました。でも何も武器を持たずに東京に行くのが怖かったので、まずは地元でお芝居をやって。大学内の演劇好きで劇団も立ち上げたんですが、大学卒業と共に解散して、上京しました。

――大学では何を専攻していたんですか。

久具 映像大学だったので、プロデューサー業や制作サイドの勉強をしていたんですが、それも俳優になるために作り方を学ぼうと思ったからです。

――上京後はどういう活動をしていたんですか?

久具 養成所に2年間通ってから、今の事務所に入りました。

――養成所ではどんなことを学んだんですか。

久具 地元の小劇場でやっていたときは、基礎みたいなものは教えてもらえず、現場で叩き上げる感じだったんです。だから基礎を学びたくて養成所に通って、呼吸法や脚本の読み方などを勉強しました。

――生徒は演技経験のある方が多かったんですか。

久具 18歳から30歳まで入れる養成所だったんですが、意外と僕みたいに演技経験のある人は少なくて。普通に社会人だった人が辞めて来たり、高校卒業した直後に上京した18歳の人だったり。中には子役をやっていた人もいたんですけど、大体は初心者でした。名古屋にいたときは自分よりも先輩と舞台をやることが多かったので、初心に帰ることができましたね。経験者ということで、僕にお芝居について聞いてくる人もいたんですが、演技始めたての人の吸収力はスポンジ並みに大きいので、どんどん上手くなっていく姿を見て刺激にもなりました。卒業して7年ぐらい経ちますけど、いまだに交流が続いている友達もいます。

――百瀬さんは、基礎を学ぶ機会はありましたか?

百瀬 僕は現場から入ったので、基礎的なことを知らなくて(笑)。前に所属していた事務所の方針もあって、実践あるのみという感じでしたし、僕自身、じっくりやるよりも、そのほうが性に合っていたのかなと思います。