二度と同じ瞬間はないというのが舞台の魅力

――今回の楽曲を聴いて、ミュージカルならではの表現だなと感じたことはありますか。

三山 歌い回しや息づかいなど、舞台を通しての感情表現が歌に乗っているなと感じます。ドラマを観た方がイメージするリ・ジョンヒョクの声はクールなトーンだと思うんですが、歌になるとキーが変わって高くなるところもあるので、そこにギャップがあって、面白いなと思ったんですよね。気持ちが高ぶっているから、そういう歌声になるんだというところまで含めて、どういう声の成分で歌うかを試行錯誤しています。

――リ・ジョンヒョクを演じる上で大切にしていることは何でしょうか。

三山 北朝鮮の軍人という役どころでもあるので、立ち姿も含め、360度どこから切り取られてもかっこよく、しっかりして見える。そういう役としてのあり方を大事にしたいです。

――軍服にロングコートを羽織ったメインビジュアルはいかがですか。

三山 韓国ドラマの主人公はよくロングコートを着るじゃないですか。それに袖を通せたのがうれしかったのですが(笑)、スラッとしてスタイルも良く見えますし、髪型も変えたので、柔らかさと強さの二面性みたいなものが表現されているのかなと思います。

――過去にも舞台は経験されていますが、舞台の醍醐味はどんなところにありますか。

三山 やっぱりライブ感ですね。セリフは同じでも、その時々の温度感は全く違っていて、二度と同じ瞬間はないというのが魅力だと思います。良い意味で初日と千秋楽は、かなり雰囲気も違うんですが、何度も観に来てくださるお客さんも多くて、そういう方々とはファミリーのような一体感が生まれていきますし、一緒に駆け抜けていく楽しさがあります。もちろん一回だけ来てくださる方でも、その日にしか観られない温度感を楽しんでもらえると思います。

――今回の演出家は韓国人のパク・ジヘ氏です。これまで外国人の方と作品づくりをする経験はありましたか。

三山 BE:FIRSTのドキュメンタリー映画で監督をはじめ、韓国人スタッフの方々とお仕事をさせていただいたのですが、めちゃくちゃ面白かったです。韓国の方は、すごいパッションを持っているんですよね。ちゃんと話も聞いてくれるし、理解力もある。それにクリエイティビティの部分が本質的というか、嘘のないものをガチで描きたいという姿勢が伝わってくるんです。監督とは個人的に仲良くなって、家に遊びに行って一緒に飲んだこともありました。僕は韓国人の友達も多いのですが、すごく気が合いましたね。

――改めてミュージカル『愛の不時着』で楽しみにしていることをお聞かせください。

三山 稽古を重ねていく中で、歌とお芝居がどういう形で表現として結実していくのか、自分の役が本番でどういう状態になっていくのかを模索するのが楽しみです。