自分らしさというものを考えて、ポップス味の強いラップをやることの楽しさに気づいた

――ここからはキャリアについてお伺いします。初めてラップに触れたのは幾つくらいのときですか。

SKRYU 厳密に言うと、中学生のときにエミネムの映画『8 Mile』(02)を観て、面白いなと思ったんですが、本格的にラップにハマったのは高校時代です。たまたま「第4回BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」のT-Pablow対かしわを観て、衝撃を受けたんです。僕の通っていた工業高校の同級生にヒップホップを聴かされてはいたんですが、ラップなんて悪い奴がやるものだと思っていたんです。ところが二人のバトルはインテリジェンスがあって面白いし、リズミカルに韻を踏んで、ちゃんと音楽をやっている。それに影響を受けて、見よう見まねでラップを始めました。

――昔はヒップホップに対するコンプレックスがあったというお話がありましたが、どういうきっかけで吹っ切れたのでしょうか。

SKRYU 22歳くらいまでは、ヒップホップは悪くあるべき、メロディーを使ってたまるか、いなたくて当然みたいなスタイルに行きたかった自分もいたんです。長いことMCバトルをやっていて、クラブ中心に生きていたので、ヒップホップらしい服装もしていました。そういう先輩ばかりだったので、ヒップホップ的には良い教育を受けてきたんです。実際、ダス・エフェックスとかファーサイドなど、90年代のヒップホップをビートジャックしていましたしね。ただ人生で初めてリリースした「Midnight Marauders」(19)がディスコっぽかったんですよね。今でもライブで歌っている曲ですが、それが世間に認められたことで、味を占めて戻れなくなりました(笑)。

――「Midnight Marauders」はリリックもキャッチーで、言葉選びもユニークで、すでに今のスタイルが確立されています。

SKRYU 誰に影響を受けたというわけではないんですが、歌うべきことって人それぞれのパーソナリティによって100人100色だと思っていて。自分を肯定できる歌詞って、自分の生き方を歌ったものだと思うんですよね。僕だったら、人に優しくするのが気持ちよくて、見栄を張るのが格好良くて、人を笑かすのが好きでという歌詞を歌っていると、気持ちも楽しくなる。ただ、いなたさこそがヒップホップであると思い込んでいたときは、それをストレートに出せていなかったんです。でも思春期のときに聴いていたBoA、宇多田ヒカル、mihimaru GT、そしてMONKEY MAJIKといった音楽のエッセンスがラップに入り込んだときに、自分らしさというものを考えて、ポップス味の強いラップをやることの楽しさに気づいたんです。

――個人的な意見ですが、ラップもリリックも餓鬼レンジャーの影響があるのかなと思っていました。

SKRYU めっちゃ好きですし、餓鬼レンジャーさんの『Survival Attack』というアルバムの「Happy Set」にフィーチャリングで参加させていただきました。みなさんすごいですけど、中でもポチョムキンさんは僕にとって日本語ラップの象徴のような存在です。

――ご自身のスタイルが間違っていないと確信を持てた瞬間はありましたか。

SKRYU 2025年9月21日に開催した幕張メッセの公演です。ライブをぶちかました後のアンコールで、宙吊り状態でパンツ一丁になって。そこから見えた景色は、さっきまで感動して泣いていたお客さん達が、俺を見てバカみたいに笑っている姿だったんです。それに感動しちゃって、間違っていないと確信しました。そもそも宙吊りでパンツ一丁が、ヒップホップなわけがない!

――ヒップホップに限らずですが(笑)。

SKRYU まあ、人としてありえないフォルムですよね(笑)。自分としてはヒップホップに恩返しもできたし、これからも貢献はしていきたいけど、やはりSKRYUは卑屈にならず、ジャンル分けしがたい唯一無二を目指していきたいですね。

――最後に8月29日・30日にぴあアリーナMMで開催するSKRYU Super Live 2026 「The Light」の見どころについてお聞かせください。

SKRYU 両日、20~30曲を歌う予定で、1曲も被りがないんです。29日の「PINK -Moonlight Paradise- with Secret Guests」は、「とりあえずパーティーしようぜ。いろんな仲間もいるし、みんなで叫ぼうぜ」で、30日の「SEPIA -Midnight Rendezvous-」は、「SKRYUの人生を見に来いよ!」みたいなノリ。頭を抱えるくらい考えてセットリストを組んだんですが、もしかしたら『ザ・ライト』で歌わない曲が出てくるかもしれません。みんなに楽しんでもらうために、ストーリー性を重視した手の込んだ作り方をしているし、演出もそれぞれ全く違うので、ぜひお時間とお財布に余裕がある方は、両方とも来てほしいですね。

Information

Major 1st Full Album
『ザ・ライト』
2026年8月5日リリース

【トラックリスト】
01. ハヤスギテミエナイ (feat. サーヤ)
02. キラキラ・ドッパミン・ジュッジュワー
03. スキット
04. ウォーター・メロン
05. カップリング
06. マッパ・ノ・オウサマ
07. ウルフ・マン
08. ゼクシィ・ガール
09. イッツ・ア・ニューデイ (feat. MONKEY MAJIK)
10. グラスヲカカゲテ
11. イレブン・バック

■全4形態

< 初回限定盤(CD+BD)>
価格:7,777円(税込)
品番:WPZL-32304
仕様:三方背BOX、デジパック、豪華ブックレット

< 通常盤(CD)>
価格:3,500円(税込)
品番:WPCL-13780
仕様:CD、ブックレット


価格:8,888円(税込)
品番:WPZL-60100
仕様:三方背BOX、デジパック、豪華ブックレット、オリジナル・グッズ(クリアバッグ)、ハダカードB(1枚)


価格:4,500円(税込)
品番:WPCL-60123
仕様:CD(ジュエルケース)、ブックレット、オリジナル・グッズ(クリアバッグ)、ハダカードA(1枚)

※CD収録曲は全形態共通。

SKRYU Super Live 2026 「The Light」

PINK -Moonlight Paradise- with Secret Guests
2026年8月29日 (土) OPEN 16:30 / START 18:00

SEPIA -Midnight Rendezvous-
2026年8月30日 (日) OPEN 15:30 / START 17:00

会場:ぴあアリーナMM

公式サイト

SKRYU

1996年9月3日生まれ。島根県出身。活動拠点は東京。MCバトルで頭角を現し、現在は楽曲とライブを軸にシーンを牽引するラッパー。「超SuperStar」「 HowManyBoogie」など数々のバイラルヒットを生み出し、生活感のあるリリックとダンサブルで癖になるグルーヴ、ラップ・メロディ・ハーモニーを自在に操る小気味良いスタイルが持ち味。ワンマンライブは即完売を続け、全国ツアーも全公演ソールドアウト。2025年にはヒップホップアーティスト史上初となる幕張メッセ国際展示場ホールでのワンマンライブを成功させた。2026年2月、ついにワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー。3月には全国5都市・7公演の「SKRYU絶(Zepp)Tour2026」を大成功に収め、8月30日・31日にぴあアリーナ2days公演を開催。

INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI