日向坂46との絆、そして、エッセイを書き続けるという決意表明
――では、日向坂46の皆さんはどんな存在なのでしょうか?
佐藤 いちファンでもありますし、ある一面では、純粋なおひさま(日向坂46ファン)の皆様とメンバーとの素晴らしい関係性そのもののファンでもあると思っています。ライブで虹をかけるような、あの空間を作り上げているおひさまの熱量のファンとでも言いましょうか。そんなメンバーとおひさまの素晴らしい相互関係の中に、ありがたいことにお邪魔させてもらっているという感覚がずっとありますね。1stアルバム『走り出す瞬間』のヒット祈願が彼女達との最初の仕事で、バンジージャンプを飛ぶロケだったので、最初の出会いがとにかく衝撃的でした。あの日あの瞬間から「僕はこのグループのファンなんだ」と強く思ったことを覚えています。そこから、「松田(好花)さんのラジオが聞いてみたいな」、「潮(紗理菜)さんのラジオが聞いてみたいな」と思うようになって企画書を書き、どちらも2年ほどかかりましたが、ようやく形にすることができました。そのように長く深く仕事をご一緒させていただける関係になれたのは、放送作家の仕事をやっていたからこそだと思っています。

――卒業されたメンバーと喫茶店で会える関係というのがまた素敵ですよね?
佐藤 そうですね。僕は個室の居酒屋とかが苦手なんですよね。だから、「野面(のづら)で喫茶店に来られるんだったらいいよ」ということを条件にしています。今でも卒業したメンバーが相談しに来てくれるのですが、喫茶店で話していると「あの時、進んだ道は間違っていなかったんだな」と彼女達の優しさに救われますね。僕は仕事をしている喫茶店に、帽子もマスクもつけず、文字通り「野面」でふらっと入ってこられるくらいの距離感の人じゃないと一緒にいられないんですよね。松村北斗くんも普通に野面でやってきて、映画やエンタメの話をしてふらっと帰っていきますよ。それが僕の理想形です。
――先ほどラジオのお話も出ましたので、サトミツさんが思うラジオの魅力についても是非聞かせてください。
佐藤 ラジオはテレビと違って聴いている側の「主体性」が求められるメディアだと思っています。パーソナリティとリスナーが「1対1」で深く楽しめるメディアなので、時代の流れとは逆行している気もしますが、だからこそ他のメディアでは絶対にできない唯一無二の場所でもあると思っています。リスナーとの関係性の作り方やスタッフとの面白がり方などテレビにはできない表現ができるラジオが本当に大好きです。
――ありがとうございます。今回のインタビューでは「日常」や「生活」というキーワードが何度も出てきましたが、サトミツさんが今思い描いている夢や目標はどんなものなのでしょうか?
佐藤 具体的に「これからはこれをやっていくぞ!」というロードマップは描いていなくて、ご縁や時の流れに身を任せて辿り着いていくのだろうなと思っています。ただ、今回のエッセイ集『今日も、喫茶店より』が完成したことで、「これからもエッセイを書いていく」ということだけは自分の中で確定しました。エッセイを書き続けることは、仕事で頭がいっぱいになりがちな人間を「生活」という現実にしっかりすくい上げてくれる新陳代謝のようなものだなと感じています。エッセイを書き続けながら、ご縁のある仕事をさせていただき、生活していこうと思っています。
――ここまでお話を聞いてきて、エッセイを書くことで気持ちが浄化されるような感覚もあったのかなと感じましたが、いかがでしょうか?
佐藤 そうですね。日常の何でもないエピソードが、活字になって人に面白がってもらえるということが本当に嬉しかったです。過去の辛かったことも含めて、エッセイという作戦を使えば、人生のオセロの黒を全部白に変えていけるんじゃないかという感覚がありました。もちろん劇的に幸せになるわけではないのですが、根っからのネガティブ人間である僕にとって、ネガティブな出来事すら面白がってもらえるように昇華できる策がエッセイでした。

――これからも日々の生活が続く限り、エッセイは永遠に書き続けられそうですね?
佐藤 これからも色々な仕事に挑戦していくと思いますが、エッセイだけはずっと書き続けていきたいです。だからこそ、この本には絶対に売れてほしいんです。そうしないと、次のエッセイが出せませんからね(笑)。
――それでは、最後にお聞きします。読者の皆さんには、このエッセイ集をどのように楽しんでほしいですか?
佐藤 僕自身、毎日が最高に楽しくて順風満帆な生活を送っているわけではありません。この本を出した今も生活の本質は何も変わってはいません。それでも、何でもない日常を切り取って活字にしたことで、その景色にパッと色がつく…、そういう作業をこの本でやりました。僕には知名度はありませんが、だからこそ、僕のことを知らない方が読んだとしても、その「生活の彩り」を楽しんでいただける作品になったと思っています。どう受け取っていただくかはもちろん読む人の自由ですが、ページをめくりながら、そこに書かれているエピソードをご自身の生活にそっと置き換えて追体験してもらえたら嬉しいです。
Information
<BOOK>
『今日も、喫茶店より』
著者:佐藤満春
発売日:2026年08月19日
判型:四六判/192ページ
定価:1,980円(本体1,800円+税)
<EVENT>
『今日も、喫茶店より』サイン本お渡し会・ツーショット撮影有!@町田・久美堂
先着100様限定2ショット撮影付きサイン本お渡し会」(リアル開催)の実施も決定
開催日:2026年8月23日(日) 14:00〜16:00(受付開始 13:30〜)
会場:久美堂 本店 1階(住所:東京都町田市原町田6-11-10)
参加⽅法等は久美堂本店Xアカウントよりご確認ください
https://x.com/hisamido_honten
PHOTO:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:ATSUSHI OINUMA
