佐藤満春にとっての仕事・日常・喫茶店
――サトミツさんはSTREAM初登場です。まずは、現在の仕事について教えてください。今、ご自身の肩書はどのように答えていますか?
佐藤満春(以下、佐藤) 収入の9割が放送作家によるものなので、基本的には「放送作家の佐藤満春です」と名乗ることが多いですね。

――その他の肩書もたくさんお持ちですよね?
佐藤 まだ舞台にも立っていて、どきどきキャンプというお笑いコンビを組んでいますので「お笑い芸人」という肩書きもあります。トイレの専門家として講演会をやったり、本を出したりもしてきましたので「トイレの専門家」。掃除の研究を続けてきて掃除の本も出させていただいているので「掃除の研究家」でもあります。あとは、母校の桜美林大学で客員講師を務めていますので「大学の客員講師」。肩書きは以上ですかね。
――とてもマルチなサトミツさんですが、放送作家としての現在のレギュラー番組の本数は何本くらいなのでしょうか?
佐藤 マックスで23本あったのですが、さすがに体力的にもきついですし、今は減らしに減らして8本くらいになりました。1週間で考えたらそれでも多い方なのかもしれませんが、23本から8本になると時間的にはかなり余裕ができましたね。
――とは言え、多忙を極めているイメージがありますが、どのようにスケジュール管理をされているのでしょうか?
佐藤 朝の情報番組『DayDay.』の構成を担当しているので、平日の朝は早いです。ただ、去年までは毎朝現場に立ち会っていましたが、今年に入ってからフルリモートの作業にしていただいたので、だいぶ楽になりましたね。日々レギュラー番組の会議や収録、その他の締め切りなどが控えているので、1ヶ月分のスケジュールを手帳にバーッと埋めて、空いている時間に「自分の好きなこと」を当てはめていくようなスケジュール管理をしています。
――その「自分の好きなこと」が趣味のサッカーだったりするのですね?
佐藤 サッカーは結構な頻度でやっています。歳をとると、運動する機会が減ってしまうので、昨年、草サッカーチーム「サトミツFC」を作りました。運動するならジムに行くよりも、趣味や気分転換を兼ねてできることが望ましいなと思ったんですよね。町田はサッカーの街ですし、僕は町田生まれの町田育ち、今でも町田に住んでいるので、まわりにサッカー仲間がたくさんいたんです。そんな仲間を誘って、多い時には週1回、少なくても月1~2回は体を動かすようにしています。

――今回のエッセイが書かれた「喫茶店」も昔から好きだったのですか?それとも、書く仕事が増えてから行くようになったのでしょうか?
佐藤 喫茶店は昔から1人でも友達とも行く場所でした。本格的に通うようになったのは、放送作家の仕事が増え始めてからですね。よく行くのはルノアールです。ルノアールに毎日通うようになり、なんならルノアールをハシゴするようになっていきました。自宅でももちろん作業しますが、ルノアールにいる時間が1日の中でどんどん増えていって、他にも居心地の良い喫茶店やWi-Fi環境が整っていて電源が使えてコーヒーが美味しい喫茶店を発掘していき、色々な喫茶店で作業するようになりました。その後、友達がやって来て相談したりされたり、雑談したりするようになって、仕事の中に自分の生活や気分転換の時間がうまく入り込んでいったような感覚ですかね。
――やはり、喫茶店では仕事が捗るものですか?
佐藤 そうですね。隣で雑談している人がいたり、ビジネスの商談をしている人がいたり、様々な日常が感じられるんですよね。コップやお皿がガチャガチャと触れ合う雑多な音とかコーヒーの揺らぎとか、色々なものを感じながら作業すると、かえって集中しやすいです。静かな環境よりも少しザワザワしている方が心地良いというか、別に人間観察をしているわけではないのですが、そこに集う人達が発するその雑音が心地良い空間を作ってくれている感じがします。
――そんな喫茶店での日々が今回のエッセイ集にも繋がったわけですね。エッセイ集はどのようなきっかけで書き始めたのですか?
佐藤 毎日喫茶店で過ごすうちに、「次はエッセイに挑戦したい」という思いが芽生えてきました。「仕事の中に生活が入り込んできた状態」に自覚的になった瞬間と「エッセイを書きたい」という思いが重なったことが最初のきっかけでしょうか。自分がホームにしている喫茶店での仕事の合間にエッセイを書いてみるべきではないかなと思い、ちょっとした日常のことや過去のエピソードを書き始めました。
――実際に喫茶店でエッセイを書き始めてみて、どのような手応えを感じましたか?
佐藤 仕事と生活のバランスの中でエッセイを書き始めてみたら、何でもない単純な日々が「太字」になった瞬間があったんです。それはまさにエッセイを書き始めてから初めて味わった感覚でした。それまで、喫茶店は「仕事をしに行く場所」と考えていたのですが、エッセイを書くことで、自分の生活の中により深く取り込まれていく感じがしたと言いますか…。最初は、1日1本くらいのペースで書いていたのですが、日々の出来事や思い出、何でもない日常の出来事を言葉にしていくと、生活が彩られていくような気がしました。本当にハイペースで書けたので、編集の方に「次はエッセイを出したいです」という相談を持ちかけたところから、このエッセイ本が本格的に動き出しました。
