新学期のストレスを抱えているティーン世代に観てほしい

――釣りの経験はありましたか?

十味 私は海なし県の長野県出身なので、ほとんど経験がなくて。保育園の頃に親と一緒に上越の海に行って釣りをしたのが最後かもしれません。「この竿を上げたら魚が釣れる」と教えてもらった記憶があります。竿で釣るよりも川で魚の掴み取りをするほうが得意です(笑)。今回、釣り道具の使い方など、たくさんお勉強させていただきました。でも、映画のストーリー上、釣れないほうがよかったので、逆に「ちゃんと釣りたい!」というフラストレーションが溜まりました(笑)。

――生き餌を触るのは平気でしたか?

十味 保育園の時からミミズを見ることすら苦手で、最初の頃は触れられず、めざしと同じで「ギャー!」と騒いでいましたが、次第につけるのが平気になり最後は爪でもちぎれるようになりました(笑)。

――メインキャストは同世代の女性ですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

十味 私がめざしチックなのもあって、最初のうちは「この人はどういう性格なんだろう?」と探りつつ、オドオドしながら「出身はどこなの?」と話しかけたりしていましたが、撮影が進んで行くにつれて、仲間として受けいれてもらえてすぐに同級生ムードになりました。本当に1、2週間前に会ったのかなと不思議に思うくらい仲良くなれました。

――城定監督は役者に演技を委ねてくれる方でしたか?

十味 そうですね。ただカメラにどう映っているか、どれくらい表情を拾っているのか、そういうところは丁寧に教えてくださいました。撮影前に城定監督の作品を観た時は「こんなに未熟な状態で撮影に参加して、怒られたらどうしよう」と不安でしたが、現場ではとても優しく接していただけました。でも、撮影が終わった頃には「監督に怒られるぐらいもっと上手になりたい」と思うようになりました。

――監督からの演出で印象に残っていることはありますか?

十味 普段、グラビア撮影のお仕事が多いせいか、「姿勢が良すぎる」と言われました(笑)。セリフや表情、動きに意識が集中していたので「確かに」と。最初のシーンの後ろ姿を撮影で言われたのですが、めちゃくちゃ緊張していたので、それが出てしまっていたのかもしれません。あとシーンの前に、監督自身が「こういう感じ」と見本の演技をしてくださったんです。これを言うと監督に怒られちゃうかもしれないですが……それがめちゃくちゃかわいくて(笑)。学生の気持ちを理解されている監督だからこそだと思いました。とても分かりやすかったです。

――まるぴさんと共演した印象はいかがでしたか?

十味 まるぴは同じ事務所に所属しているので、以前も一緒にお仕事したことがありますが、ここまで長い期間、同じ現場にいたのは初めてでした。まるぴは、彼女が演じた椎羅みたいな明るい子だと思っていたけれど、意外と根っこは私と似ているのかも。プレッシャーを感じやすいけど「失敗するわけにはいかない!」と頑張るところに、勝手にシンパシーを感じていました(笑)。まるぴと共演できてよかったです。

――改めて映画の見どころを教えてください。

十味 この時期は新しい環境に慣れようとして精神的に疲れている方も少なくないはずです。私もそうですが、嫌われなくないから、本音を押し殺して「いい人」を演じているとストレスがたまります。そんな人達はぜひこの映画を観て、本音で仲間とコミュニケーションする大切さを感じてください。大人の方は、青春時代を思い出して楽しめるはずです!