DTMとの出会い、DTMでの曲作りがターニングポイントに

――松田さんが現在の様な音楽活動を始めたきっかけを教えてください。

松田 音楽はずっと興味があって、小さい頃からずっとやりたいなと思っていました。子どもの頃からピアノを習うなど楽器もちょこちょこやっていて。高校生くらいからギターを始めて、弾き語りでオリジナル曲を作ったりとか、色々やっていたんですけど、自分の中で不完全燃焼感がありました。実力不足で自分の表現、やりたいことが出来ていないなと思っていました。

――そんな中、DTMと出会われたんですね。

松田 DTMを使って自分で組み立てるようになって、アレンジすることの楽しさを知ったんです。「これがやりたかったんだ」ってその時にすごく思って。自分の世界観を作ったり、自分の歌のリズムを出すには自分で周りも作っていかないとダメなんだって。DTMなら自分の表現したいことが出来るんじゃないかと気づけたことがターニングポイントだと思います。それが私が編曲までやっている理由です。

――DTMに出会ったきっかけは?

松田 周りにDTMをやっている人がいて、「やってみれば?」という気軽な感じで始まりました。私はすごく機械音痴で最初はだいぶ苦労しました。まだまだ勉強中なのですが、今は楽しいです。

――今の表現のスタイルが確立されていったのはいつごろでしょうか?

松田 DTMを始めて1年くらいで、人に聴かせられるクオリティになった曲が1曲出来ました。その曲を色々な人に聴いてもらったら、ギターサウンドやメロディーラインのことを「今宵らしいね」と言ってもらえて。「これが自分らしいサウンドなんだ」に気づいた瞬間でした。これでいいんだみたいな、1つの正解の形が分かった感じでした。

松田今宵というアーティスト名も楽曲が由来になっていて、「今宵の曲って、暗くても夜って感じじゃないよね、でも朝でもないし、中間の“今宵”って感じだよね」みたいなことを言ってもらったんですよ。それすごく良いなと思ってアーティスト名として使わせてもらっています。

――曲を作る過程で何をしている時が1番楽しいと感じますか?

松田 曲にもよるんですけど、編曲が楽しいです。やりがいを感じるというか、大変だからこそやり終わった時の達成感があります。どの過程も全部大事にしたいのですが、編曲をしている時が一番活き活きしているかもしれません。

――昔から音楽が好きだったということですが、ご家族が音楽好きだったのですか?

松田 普通に好きではあると思うんですけど、音楽一家とかではなかったです。音楽をやっているのは私だけですし。昔から歌うことは好きで、おばあちゃんと散歩しながら歌ったりとかよくしていました。

――学生時代はいかがでしたか?

松田 みんなが聴いている曲を聴いている感じだったのですが、高校生くらいの時から洋楽も聴くようになって。私はすごくビートルズが好きなんですけど、昔の音楽を自分で探したり、人に教えてもらうようになってから、どんどん広がっていた感覚があります。

――今後挑戦していきたいことを教えてください。

松田 今は、曲を作るときに、自分の中から出てきたフレーズを“調理”しているんですけど、これからは、バンドみたいな感じで他のミュージシャンの方と一緒にフレーズ考えたりしてみたいです。ベーシストだったらベーシスト、ピアノだったらピアニストの方、専門でやっている人じゃないと出てこないフレーズがあると思うので、それらを私が調理するみたいなことはすごくやってみたいです。自分の中から出てきたものだけじゃなくて、人とコミュニケーション取りながらの楽曲制作に挑戦したいですね。

――とても楽しみにしています。最後に新しい環境になるときに特に心がけていることがあれば教えてください。

松田 新しい環境になると、私は自分の中に入って1人で頑張ろうとしちゃうんですよね。自分の中に閉じこもってどうにか頑張らなきゃみたいになっちゃうんですけど、それってあんまり良くないなって。どんどん視野が狭くなるし、友達からも「それは吐き出してかなきゃ。人に気持ちを話すことは大事だよ」と言ってくれて。それからは新しい環境になると、意識的に自分のパーソナルの部分を話す様にしています。そうすると道も開けると思うし、仲も深まると思うので。これから新生活を迎える方にもぜひやってみてほしいです。

Information

4th配信シングル「バースデー前夜」
2024年3月27日リリース
BS松竹東急水曜ドラマ23「向かいのアイツ〜メトロンズ初主演連続ドラマ〜」エンディング楽曲
4月3日夜11時放送スタート

配信

MV

松田今宵

懐かしのポップス、北欧サウンド、ロックなど幅広い音楽の影響を受けながら、こだわり抜いた独自の世界観を描き出す多彩なアーティスト。
アカペラ楽曲のアレンジを多く手がけた経験を活かした、自然で耳心地の良い繊細なコーラスラインを駆使し、DTMでの音作り、ギター、ベース、ピアノ演奏、作詞、作曲、アレンジまで全て自分でこなすシンガーソングライター。Vaundyなどの有名アーティストを輩出し続けている「音楽塾VOICE」出身。

INTERVIEWR:KOZUE NAKAMURA,ライブ写真:武石早代