日本語だけれど洋楽の様なアクセントのある楽曲に

――制作にあたっての特にこだわったことや苦労したことなどを教えてください。

松田 明るい気持ちになる曲を作りたくて、曲の要素としてインスパイアされたのは、80年代の洋楽のポップスです。80年代の曲をdigって色々聴いて、リズムとか、メロディーの感じを研究してくうちに、私の印象ですがパキパキとしたアクセントがあるなって。歌詞が英語だからそのアクセントが生まれやすいんだなと思ったのですが、私は日本語で歌いたいので、日本語の歌詞でどうアクセントをつけるのかということは挑戦した部分でした。

――日本語で歌うためにこだわったことはありますか?

松田 日本語って子音と母音を分けて発音することが難しい言語だと思っていて、メロディーに乗せた時にどうしても平坦な印象になりやすいと思っています。私がメロディーを作る時は、英語のような発音で適当な言語で歌いながら作って、その後にその語感に合う日本語を探すんです。

でも伝えたいことがあると、メロディーを変えて歌詞に合わせることもあるんですけど、「バースデー前夜」に関してはそれを我慢して。いつも自分で作るリズムと歌詞の比率を、リズムの方を大きくして頑張りました。私の中では新しい作り方で、新鮮な出会いでもありました。

――なるほど。語感に合って、意味も合う言葉を探すのは大変な作業でしょうね。

松田 なかなか大変ですね。夜な夜な歌いながら歌詞を考えていました。

――アートワークやMVも素敵ですね。

松田 このジャケットのオバケの中には私が入っています(笑)。MVにもオバケがいっぱい出てくるんですけど、そのオバケたちって過去の自分みたいな感じで、誕生日を迎えるごとにどんどん増えていく。誕生日の度に脱皮して生まれ変わっていくみたいな設定になっています。最後、私が中に入って起き上がって終わるんですけど、今まで曲中にいた自分がオバケになって次の自分にバトンタッチみたいにしたくて、最後は私が入りました。

――曲と同時にMVのアイデアも浮かんでくるのですか?

松田 浮かんでくる時の方が多いかもしれないです。そのアイデアやイメージを監督さんやスタッフさんに伝えて、監督さんのアイディアももちろんいただいて、一緒に考えていきます。

――先ほど80年代の楽曲を聴いているとおっしゃっていましたが、サブスクなどで探すのですか?

松田 そうですね。80年代洋楽というプレイリストを聴いたり、YouTubeで80年代のMVを流すと関連で色々と出てくるので、それで出会いがあったり。今には無いサウンドが面白くて。音楽は雑食で色々なジャンルのものを聴いています。