紆余曲折でアイドルの世界へ飛び込んだメンバーも…。それぞれ回想するキャリア
――それぞれ、アイドルの世界へ飛び込んだ経緯も伺いたいです。
馬渕 大学時代のアルバイト先だった居酒屋の常連さんに、芸能事務所でスカウトをされている方がいらっしゃったんです。お店で「君は光るよ！」と念押しされて、エキストラから芸能活動がスタートしました。当時は大学4年生で、卒論も書き終わったし暇だから「もっと予定埋められます！」とやる気になっていたところで、今いる事務所の社長を紹介されて、以前のグループに加入したんです。
社長に会ってすぐ、初手で「お金は好きですか？」と言われて「ああ、好きです！」って（笑）。アイドルへの憧れもなければ、歌もダンスも未経験でしたし「楽しいけど、大変。本当にできる？」と煽り気味に言われたので、負けず嫌いのスイッチが入り「やります」と返事しました。アイドル一本でお金を稼ぐ厳しさも楽しさも学んで、今では充実感でいっぱいです。
永井 私は、横浜駅の東口で社長に声をかけられました。以前のグループはコンセプトが演歌で、ちょうど「演歌でアイドルグループを作りたい」と考えていた時期だったみたい。最初は悩み、当時のアルバイト先だったカフェの先輩に相談したら「やってみなよ」と背中を押されたのがきっかけでした。アイドルではなくとも、声優さんへの憧れから芸能界に興味はあったんです。高山みなみさんは特に憧れで、いつか『名探偵コナン』にゲスト出演できればと願ってます（笑）。
鐡 母の知人が社長に、私の写真を送っていたのが最初のきっかけだったんです。ずっと「アイドルをやってみたら」とすすめられていたけど、最初は「興味ない」とつっぱねていました。以前のグループへ加入する前、ライブへ誘われたこともあって「かわいいし、楽しそう」とも思ったんですけど、高校卒業直前ですでに就職が決まっていたので「無理です」と断っていたんです。
でも、就職先を2ヶ月で辞めてしまい、仕事を探している最中に「アイドルに誘われてた！」と思い出して。さんざん断っていたので、申し訳なさもありつつ「もう一度、お話を伺ってもいいですか？」と社長に相談して、福利厚生もしっかりしていたので（笑）、ようやくアイドルになると決断しました。元々、アイドルのライブをファン側として見ている人間だったので「私がステージに立つとは」と、ネガティブな考えもあったんです。今は素のままで、自分を受け入れてくださる方がいらっしゃるのはうれしいです。
椎原 バンドを中心にアーティストさんが好きで、音楽フェスにもよく足を運んでいたので、ステージへ立つ人への憧れがあったんです。アイドルになる以前、そうした方々に救われていたのも動機でした。以前ののグループへ加入した当時は、大学卒業後の就職先で世間の荒波に揉まれて、気分が落ちていた時期だったんです。
新人研修で「ビルの最上階から1階まで、すべての会社に名刺を配ってこい」とか、1日300件も電話をかけて「アポを取れ」とか。就職先の商品をお客さんに押し売りするような環境にも罪悪感があり、そのとき救ってくれたアーティストさんのように「私も楽しさ、幸せを届けたい」と思って、今の事務所のオーディションを受けました。担当カラーのサイリウムを持ち、コールしてくれるお客さんを前にライブできるのが、今ではとてもうれしいです。
星 別の事務所では、K-POP系アーティストの養成クラスに入っていたんです。幼い頃からダンスが好きでしたし、BLACKPINKのリサさんへの憧れからオーディションを受けて、入ったのがその事務所でした。事務所内でもグループデビューを目指すオーディションがあったんですけど、合格したものの「契約更新が必要」と言われて、親ともよく話し合い「他のオーディションを受けてみよう」として、見つけたのが今の事務所でした。
過去にアーティストさんのバックダンサーを経験したこともあり、いつかは私も「アーティストさん側に」と憧れもあったんです。このグループで、自分を求めてきてくださるお客さんに向けたパフォーマンスの楽しさ、難しさを味わっています。
上水 記憶がギリギリあるかどうか、ちっちゃい頃から音楽にふれてきたんです。親の影響でトランペットやピアノにもふれて、小学生時代には、いきものがかりさんの『YELL』にある歌詞＜サヨナラは悲しい言葉じゃない＞に心動かされて、歌が大好きになりました。演奏も好きでしたけど、高校時代までは「人前で歌うとは…」と思っていて。昼休みには、1人っきりでお弁当を急いで食べて、音楽室でピアノをひっそり弾き語っていました（笑）。
高校卒業の進路で、音楽系専門学校へ行ったのは転機です。当初は看護師を目指していたんですけど「あきらめきれない」となって、学校内での生徒同士によるオーディションで声をかけていただいのが、今の事務所でした。歌はさておき、ダンスは課題です。メンバーが笑っちゃうほど苦手で、みんなを尊敬してます（笑）。
