ゲストの皆さんの言葉に抱きしめられたような感覚があった
――浅田真央さんも百田さんの昔からの憧れの方ですよね。
百田 そうですね。小さな頃からたくさん勇気をもらっている憧れの方です。緊張がすごくてなんとか隠そう、落ち着けと思いながら撮影していました。対談が決まった時はお母さんとも連絡を取って、「こんな日が来るとはね」って話していました。でもそう思えば思うほど胸がいっぱいになってまともに対談ができなくなってしまうので、その気持ちは胸の奥にしまい込んでいました。

――浅田さんとは緊張せずに対面できましたか?
百田 お母さんだけじゃなくて、メイクさん、スタイリストさん、マネージャーさん達もみんな、私が大好きな真央ちゃんと仕事できることを喜んでくれて、よかったねって言ってくれて。とても嬉しい反面、抑えていた感情が込み上がってきて、撮影の際には緊張が爆発してしまって。最初は真央ちゃんを直視できずにマネージャーさんのことばかり見ていました。すごく昔、人前に出ることが苦手だった自分に戻ってしまったような感覚で、「仕事だぞ!」って自分で自分の背中を押していました。
――浅田さんとの対談はいかがでしたか?
百田 そんな感じではあったので、もうちょっとできたんじゃないかと落ち込む部分もありましたが、私の話もたくさん聞いてくださって。私の話なんてって言ってたりもしたのですが、途中で何言ってんだよって、自分の話もちゃんとして、そこから広がるものがあるじゃないかって。常に、冷静でいようとする自分と、憧れの人を前にして焦っている自分が戦っていました。
――本書からも緊張感が伝わってきました。
百田 私が緊張している感じも全部文章に出ているので、ぜひ読んでいただけると(笑)。嬉しかったのは、生まれ変わったらもう一回浅田真央になりたいですか?っていう質問をさせていただいたのですが、初めて聞かれたとおっしゃっていて。たくさんインタビューを受けてきた方だと思うので、そう言っていただけたのは嬉しかったです。

――浅田さんの回答も百田さんの受け答えもとても興味深いやりとりでしたね。
百田 ちゃんとお仕事ができていたところがあってよかったです(笑)。
――あとがきについて伺います。”百田夏菜子の865文字”。これは百田さん自身で執筆された文章と伺いました。
百田 私のほうで書かせていただきました。藤井さんからもぜひ百田さんに書いてもらいたいとお声がけいただいて。自分が経験した時間だから自分の言葉で伝えたいと思ったし、シンプルに感じたことを、そのまま一気に書き上げました。
――元々、筆が早い方ですか?
百田 下書きとかはしないタイプで、溢れてくる感情をそのまま流れるように表現したいと思うことが多いです。書く機会は多くはないですが、今回も同じように考えすぎないように書きました。
――あとがきには印象的なフレーズも多かったです。どのような思いがありましたか?
百田 対談を通して私自身が救われることが多くて、ゲストの皆さんの言葉に抱きしめられたような感覚がありました。起きた過去は変わらないけど、未来の自分によって、その過去の色が変化するというか、過去がふわっと変わったような感覚がありました。この本を読んでくださった方の過去の色がちょっと変わる、そんな風に感じていただけたらいいなと思ってあとがきを書かせてもらいました。

――対談の中ではゲストの方の挑戦についての話題も多くありました。最後に百田さんが未来に向けて今、やってみたいと思っていることを教えてください。
百田 対談を通して振り返ってみると、新しいことにチャレンジすることは好きだと思います。今回の連載も初めての挑戦でした。新しいことをすることで人との出会いがあったり、言葉との出会いがあったり、人生が豊かになると感じています。年を重ねることで昔のように何も考えずに飛び込むことは少なくなりましたが、あまり構えず、考えすぎず、チャレンジする気持ちを持ち続けたいです。
――百田さんのあとがきにはすてきな言葉がたくさん綴られていました。普段から文章を書く機会があるのでしょうか?
百田 どこに出すわけでもないですが、普段、感じたことをメモしたり、自分の考え方を文章にすることで頭を整理しています。歌詞を書かせていただいたときも、メモしていたことからインスピレーションを受けて作詞したこともありました。対談でも自分があのときどう思っていたのかを振り返るためにメモを読み返したりしました。
――またいつか書く仕事にチャレンジされるのを楽しみにしています。
百田 藤井さんからもそのメモ出さない?って言っていただいたり(笑)。書き溜めているものは自分用なので世に出せるものではありませんが、今回の対談のように、挑戦できる機会をいただけるように向き合っていきたいです。

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