ちゃんと5人で動いて5人で考えて進んできた
――アルバム『PERFECTLY DEFECTiVE』を引っ提げてのツアーということで、歌唱面で大きな変化があったのではないでしょうか。
Novel Core 今までのアルバムの中でもトップクラスに難しい曲がいっぱい入っていて、息継ぎの位置も少ないですし、ずっと圧のある声の出し方をキープしなきゃいけない曲も多いんです。だからボイストレーニングやパーソナルトレーニングをしながら、自分的に「ここがどうしてもつっかかるんですよね」とか、「ここが出しづらくて」みたいなところを、ツアー中も先生たちに相談しながら改善をして回っていました。それでもツアー中、久々に喉のトラブルというか、声を壊す瞬間があって、声が出づらかったりして、KOTAくん(DJ KOTA)にも相談して、ファルセットで明らかにかすれてしまって出ない、声帯が閉じ切らないところは、シーケンスで音を出してもらうという対処もしました。ぶっちゃけ、今の自分がやりたいパフォーマンスに対して、自分のフィジカルがついてこられていないと痛感しました。もっとよくならないとダメだなというのが、自分としては今回のツアーのトータルの課題として浮き彫りになったなと思います。

――そういったときのバンドメンバーの対応力も上がったと感じましたか。
Novel Core すごく上がっています。その状況に応じた対応の仕方というのは、フェスだったりの外部での経験が大きくて。何が起こるか分からない、フロアを見ながらフロアの躍動に合わせて曲の間を出すタイミングなんかも、今までは僕がKOTAくんにキューを出していることが多かったんです。今回のツアーはできる限り、僕頼りじゃなく、KOTAくんの目線からフロアをちゃんと見て、良い間で出してほしいというのを事前に伝えていました。クマさん(クマガイユウヤ)のギターソロから始まるシーンがセットリストの中にあったので、弾き始めまでにどれだけ溜めるか、タイミングをどうするかというところも、ある程度はメンバーに委ねて、自分でフロアをコントロールする感覚を掴んでもらいたいというのが、今回のツアーのもう一つのテーマでもあったんです。なので、ツアー中に僕も含めて、それぞれがフロアをよく見られるようになってきましたし、同時にもっとできるなという課題も、ツアーを通して見つかっているので、またバンド全員でブラッシュアップしながら、次のツアーに臨めたらいいなと思っています。
――連載でバンドメンバーとの対談をやるたびに、個々の自主性という話が出ましたが、それが着実に形になっているんですね。
Novel Core 会場によっては前日にその地域に入って、宿泊してライブをするということもあったので、みんなで集まって、先にご飯を食べて、込み入った話をしてから、次の日の本番に臨むみたいな日もあったので、コミュニケーションを強く取っていたんです。そのときにメンバー側から幾つものフィードバックがありました。僕の方から議題を提示しなくても話が進んでいくようになっていたので、みんなのことが心強かったですし、それぞれ違和感を持つ位置も似ている状態にもなってきているので、話が転がっていくことが多くて、コミュニケーションはスムーズでした。
――ステージ上でもメンバーそれぞれが積極的に前に出る場面も増えました。
Novel Core 責任感として感じてくれている部分も絶対にあると思いますし、たとえばうっちー(ウチムラユウキ)は、キーボーディストとしてどういう立ち位置でありたいかを自分なりに考えていて、最近いろんなキーボーディストの映像を見ていたそうなんです。演奏だけじゃなく、立ち居振る舞いやビジュアライズも含めて、自分のムードボードになるものがないか探していると、仙台のときにポロッと話していました。みんなの意識がフロントマンシップとして乗っかってきているというか、それは僕にとって助かることでありがたいことで、そのバイブスをもっと生かしてステージにつなげられたらいいなと思っています。

――ツアーファイナルの豊洲PITに向けては、事前にどんなテーマを掲げていたんですか。
Novel Core 大きく二つあります。一つはツアーの集大成でもあり、僕にとっては、この数年間の集大成でもあるものだったので、単純にパフォーマンスの向上だけじゃなく、僕たちがバンドとしてどれだけ強くなっているか。さっき言ったようなコミュニケーションの部分、平たく言えば絆の部分を、演奏やパフォーマンスでどれだけ見せられるか。Novel Coreプラス4人ではなく、ちゃんと5人で動いて5人で考えて進んできたということをどれだけステージに出せるかというのがテーマでした。
――もう一つは何でしょうか。
Novel Core 僕とOUTERの関係性です。フロアはファンが作るという前提でずっとライブをやってきているので、フロアを完全に明け渡したときに、みんながどんな景色を作るか。それが僕たちのライブにどういう影響を及ぼすか、良いものになるかもしれないし、もしかしたら天井を作ってしまうかもしれない、そのどちらになるかも僕たちの中でテーマでした。ステージだけで完結する部分と、フロアとステージの相互作用で作る部分、その両方を意識しながら豊洲PITに臨みました。その中で一番大きかったのは、ミクスチャーフロアという新しい試みを実施するということでした。
――激しいモッシュやシンガロングを楽しめる「アクティブゾーン」、ライブを自分のペースで楽しめる「セーフティーゾーン」、パーソナルエリアを確保して観覧できる指定席エリアに加え、保護者と子どもが一緒に楽しめるファミリーエリアを設置するという試みでした。
Novel Core これが試せる状況になったのもOUTERのおかげなんです。フロアが育ってきていて、今の状態だったら、アクティブなゾーンを作っても、変なハレーションが起きないだろうという自信があったからやれたんですよね。セキュリティのスタッフさんを増員したり、各エリアの入り口に人数のカウントやキャパシティ管理などの状況を見るスタッフさんを配置していただいたりしました。普段よりも複雑化するところに踏み切れたのも、ちゃんとOUTERがそういう環境に対してリスペクトを持ちながら遊べる人たちであるからこそで。正直、マナーとかモラルとか大きい主語で言いたくないところはあるんですけど、そういうところがどれだけフロアの中で自発的に育っているかというのを試す機会でもあったので、改めてOUTERへの信頼が強まったし、ここまでみんながやってくれるんだったら、僕はどこまでもチャレンジしていけるなと感じた公演でした。
――ミクスチャーフロアに関して、スタッフの方々や豊洲PIT側の反応はいかがでしたか。
Novel Core 協力的に話を聞いてくださいました。ライブ制作チーム、イベンターさん、マネジメントなど、いろんな人たちでライブを作っていく中で、豊洲PITという会場は僕にとって特別な場所なんです。僕自身が人生で初めて有観客の大型公演としてNovel Core名義でステージに立ったのが「SKY-HI Round A Ground 2018」のファイナルで、3年前のワンマンライブでうっちーがメンバーとしてジョインして、日本武道館公演の開催を発表したのも豊洲PIT。僕にとってすごく意味のある場所だということも、ライブ制作チームのカズさんたちにお伝えしていたので、その熱量も感じ取っていただいて、初めての試みにも懐疑的にならずに協力してくださったので感謝しています。
