英語のセリフを言い終わった後の楽しさや達成感を味わうことができた

――直美は牧師に育てられたことで英語を話すことができます。

上坂 英語は本当に難しかったです。発音の仕方を口の形から覚えるなど、基礎中の基礎から教えていただきました。ある程度は話せるようになっても、お芝居になるとまたニュアンスが変わって、新しい課題が出てくるので、何百回も練習しました。英語の先生からは、「まずは日本語で、その台詞を直美として言ってみて、直後に英語に変換すると、感情がそのまま乗って言いやすくなる」というアドバイスをもらいました。英語のシーンを撮るときも、テストは日本語でやってみて、本番は英語でやってみる、というやり方をしていました。実際、感情が乗りやすいですし、そのやり方がすごく自分に合っているなと思いました。英語は直美の大きな武器で、本音をぶつけられるのも英語なので、そこは大事にして臨みました。

――もともと英語は得意だったのでしょうか。

上坂 どちらかというと苦手でした(笑)。直美が英語を使うときは、本音をぶつけるシーンが多かったので、なおさらだと思うんですが、英語のセリフを言い終わった後の楽しさや達成感を味わうことができて、自分でもびっくりしました。

――学校で習う英語とは、また違いましたか。

上坂 そうですね。クランクイン後も定期的に英語の先生とレッスンをしているのですが、徐々にしゃべれるようになっていく感覚があります。もともと英語に触れる機会があまりなかったので、こんな貴重な機会はなかなかないなと感じています。『風、薫る』で終わりにするのではなく、今後も英語は続けたいです。

――『風、薫る』が描かれている時代は明治で、着物を着るシーンも多いですが、所作で意識したことはありますか。

上坂 あえて雑に崩すということを意識していました。りんと比べると分かりやすいんですが、ご飯を食べるとき、座っているときの姿勢、歩き方などで直美の性格が出たらいいなと思って、所作の先生と相談しながら、細かくやっています。

――鹿鳴館で給仕として働いていたときは、また違う動きが必要だったかと思います。

上坂 鹿鳴館のときは、お盆の持ち方から始まって、グラスの飲み口は触っちゃいけない、といった細かい所作を、短い期間ではあったんですが、みっちり稽古しました。直美は自分が生きていくためなら、どんな手段も使うという強い心を持っているので、給仕のときはきっちり仕事をこなして、お家では気を抜くというギャップが見えたらいいなと思っていました。鹿鳴館のシーンでは、いろいろ神経を使ったので、体中が痛くなりました(笑)。