現場では猫をかぶらないようにしている

――木村さんはこれまでも舞台「管理人」の小川絵梨子さん、舞台「The Last 5 Years」の小林香さんなど女性の演出家さんたちとお仕事された経験をお持ちですが、女性演出家ならではの特徴を感じたことはありますか?

木村 あんまり考えたことがなかったですが、女性の演出家さんとお話するのは好きですね(笑)。男性と女性では視点が違うことがあるから、思いもよらないアイデアにハッとさせられることも多いです。そして、人の扱いが上手い方が多いので「ついていきます!」とついついしっぽを振ってしまいます(笑)。

――コミュニケーション能力は年齢によって変化すると思いますか?

木村 どうなんですかね。上がっているのか、下がっているのか……、あまり考えたことがないですね。小学生くらいまではいろんな人と話ができたけど、中学生になって人見知りになって。小学生の頃の感覚に戻りたいなとは思いますが、自然体でいいんじゃないのかな。

――今作は、恋人、母親、友達、いろんな方たちとの関係性について深く書かれていますが、キャストの皆さんとの関係性作りのために現場で心がけていることはありますか?

木村 現場で猫をかぶらないことですかね。僕という人間を理解してもらうように「自分はこんな人間なのでよろしくお願いいたします」と自ら挨拶するように心がけています。早めにオープンな関係が構築できると、会話のキャッチボールもしやすくなるし、単純に自分がラクだからというのもありますが、いい結果を生むことが多いですね。

――キャストコメントで「とんでもない苦悩にぶち当たる、そんな初夏を迎えることになりそうです」と書かれていましたが、今作ではどんな壁を感じていますか?

木村 どの作品も取り組んでいる間は常に挑戦で、壁にぶち当たります。でも、苦悩する状況を楽しむようにしています。

――毎回、作品ごとに新たな挑戦という形で挑まれているのですね。

木村 もちろんです!

――観劇するのが苦手とお聞きしましたが、なぜですか?

木村 僕はおしりの肉が薄いのでどんなにふかふかな椅子でも、骨がずっと当たってしまい痛いので長時間座っていられないんです(笑)。

――改めて今作の意気込みをお願いします。

木村 PARCO 劇場開場 50 周年という記念すべき年に、出会いたかったシェイクスピアを基にした作品に出演させていただけることになり、僕にとってはすべての奇跡がつながった作品です。ぜひPARCO 劇場に足を運んでいただき、奇跡の舞台を楽しんでいただけたらと思います。