気になったショート動画はチームのスタッフにも共有

――動画の撮影や編集をする上で参考にしている特定のアーティストはいますか。

Novel Core 国内外問わずたくさんいますが、海外のソロアーティストは軒並み動画に力を入れていて。よくHow to動画なんかも観るんですが、本人が撮影も編集もやっているんですよね。だからこそ余計にそうあるべきだなと思っていて。僕はTikTokもインスタも、目に留まったものは全部保存するようにしていて。そういう動画を観て、「カットの割り方が面白いな」「テロップの入れ方がいいな」「この画角がいいな」とか感じたことを、チームのスタッフさんにも共有しています。

――国内でショート動画がすごいなと思うアーティストは誰ですか。

Novel Core AKASAKI (アカサキ)くんとかimaseくん達が作ったであろうフォーマットがあって、彼らは早い段階からショート動画映えするものを自分自身で作っていて。手の込んだことをやっているわけでも、いいカメラで撮っているわけでもないけど、独自の世界観を作っているなと思います。紫今ちゃんなんかも、動画フォーマットに自分の世界観を持っていますね。

――海外はいかがですか。

Novel Core 日本とは逆に、いいカメラを使って、手の込んだ編集技術でMVに引けを取らないことをやるのが流行っている印象で。特におすすめがZEP、Logan Prescottという2組で、彼らは全部自分でディレクションして作っています。Logan Prescottの方が比較的庶民派というか、簡単な技法ですね。たとえば芝生の上に鏡を置いて撮ったり、夜にストロボを焚いて撮影した映像を後から編集で多重露光にしたり、シンプルなことをやっているけど意外と気づかなかったことを形にするのが上手ですね。ZEPに関しては、アートワークやMV含め、現代のフォーマットを意識した美術観点だと最高水準だと思います。

――5月22日公開の映画『名無し』で、主題歌の「名前」を提供していますが、映画やドラマの見方にも変化はありますか。

Novel Core もともと映画もドラマも好きなんですが、ガジェットを手に入れて実際にいじるようになってからは、映像作品を観たときに「どうやって撮っているんだろう」「どういう設定でこうなっているんだろう」という細かいところに目がいくようになりました。『名無し』を試写室で観たときも、「ここは手持ちのカメラで撮りたくなるよな」と感じたシーンを、城定秀夫監督はフィックスの映像で撮影していていい意味で気味が悪いというか、ミステリアスな雰囲気を孕んだ映像になって、その違和感がアクセントになっているという気づきがありました。もともと城定監督の作品はよく観ていて、独特の映像表現に惹かれていたので、その一端に触れられた気がしましたし、よりそういうところからインスピレーションを受けています。

――ツアーの話に戻りますが、一回の公演でも、膨大な映像素材になりますよね。

Novel Core 今回のツアーでは6カメを回しているので、めっちゃ多いです。ある程度はフィードバックも兼ねて僕も見ているんですが、江本さんという僕たちのチームの映像周りや編集、長めのリキャップ(ハイライト映像)などをやっていただいている方がいて、とても大きな存在です。そもそもNovel Coreのインフォのアカウントや運営のSNS周りをやってくださっているスタッフさんで、とにかく今エンジンがかかっちゃっているんですよ(笑)。もともとカメラやガジェット系が大好きで、映像編集やデザイン周りをずっとやられてきたのでノウハウもあるんです。最近は一緒にいる時間も多くて、「こういうのが好きです」とか「このショート動画に目が止まって、スクロールも止まったんで、こういうのを真似てみたいんですよね」とか、そういう会話を普段からしているんですが、撮影も編集もマジで上手くて、スピード感もえぐいんですよ。公演終了後にはオフラインができているぐらいのスピードで。まだお互いにフィードバックし合って、2日ぐらい置いてからリリースをしていますが、今回のツアー中にお互いの好みの理解が成熟する気がするので、次回のツアーぐらいからは公演終了後にリキャップが出るというのがあり得るんじゃないかというぐらい、バキバキに動いてもらっています。

Novel Core

東京都出身、25歳。ラッパー、シンガーソングライター。SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI