一枚の写真が背景も含めて成立するところに大きな魅力を感じた
――奈緒さんはカメラがお好きで、今年4月に発売したフォトエッセイ『いつか』(宝島社)では、自身が撮影した写真を多数収録しています。愛機を構えたカットなどもありますが、初めてカメラを買ったのはいつ頃ですか。
奈緒 高校を卒業した自分へのプレゼントとしてソニーのカメラを買ったのが始まりです。それから、どこにでもカメラを持ち歩くようになりました。当時、友達が大学進学する中で、私はお仕事を選んだので、一人旅など、一人でどこかに行くことが多かったんです。そのときのちょっとした相棒がカメラで、写真に残すと後で友達に見せて話もできるし、そのときに見た風景を残しておけるので、未来の自分にも共有できるというところでハマっていきました。
――今は幾つかのカメラを使い分けているそうですね。
奈緒 デジタルだとソニーとライカ、最近はルミックスもよく使っています。それぞれカメラの重さも違うので、持ち運びやすさや、行く場所のシーンによって使い分けています。
――『いつか』でも初めてライカを買ったときの写真が掲載されています。
奈緒 ライカは劇的に撮れるので、「今日は絶対にいい一枚を撮るぞ」という気合を入れる日は持っていくようにしていて、特別なカメラです。日常的にライカを使いこなせたらいいなとは思っているんですけど、まだそこまでの域には至っていないです。
――よく使うレンズは?
奈緒 最初に50mmと35mmのレンズを2本購入したんですが、ほぼ50mmで撮っていて、なかなか35mmを使えていなかったんです。最近ライカで撮るときに使い分けるようになって、楽しみが増えました。

――なぜ35mmを購入したんですか。
奈緒 カメラに詳しい方から、「35mmも持っておいたほうがいいよ」というアドバイスをいただいて購入したんですが、その良さに気づいたのはドラマで。2024年に出演した『春になったら』(フジテレビ)のタイトルバックを私が担当させていただいて、毎回、木梨憲武さん演じるお父さんを撮るんです。ある回で、お父さんと喧嘩して心が離れてしまった後に写真を撮るシーンがあって、距離ができているから、あまり近づいて撮れないなと。どうしても50mmだと近すぎるので、35mmで少し離れて撮ったら、その距離感が切なく写ったんですよね。それまでは、どれだけ近くのものを撮れるか、いかに後ろをぼかすかなどを考えるのが楽しかったんですが、一枚の写真が背景も含めて成立するところに大きな魅力を感じて。最近は人数が多いときや、その場の空気感を残しておきたいなというときは35mmを持っていくようにしています。
Information

映画『死ねばいいのに』
テアトル新宿ほか全国公開中
出演:奈緒 伊東 蒼 前原 滉 髙橋ひかる 草川拓弥 田畑智子 平原テツ
原作:京極夏彦 「死ねばいいのに」(講談社文庫)
監督・編集:金井純一
脚本:喜安浩平
音楽:D flat
主題歌:This is LAST「アイリス」(SDR)
©京極夏彦/2026映画「死ねばいいのに」製作委員会
配給:S・D・P
鹿島亜佐美(伊東 蒼)という女性が殺された。犯人は未だ分からず、犯行動機も不明。そんな中、渡来映子(奈緒)が「亜佐美のこと、聞かせてもらいたいんです」と、生前、彼女と付き合いがあった人々のもとを訪ねてくる。
PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:AYUMI TAKESHITA,STYLIST:JUNKO OKAMOTO
