チームでいろんな経験をしてきたのが今回のツアーで生きてきた
――前回に引き続き「PERFECTLY DEFECTiVE TOUR 2026」のツアーファイナルとなった6月26日の豊洲PIT公演についてお伺いします。照明の演出が非常に印象的だったのですが、何か変化はありましたか。
Novel Core 今回のツアーは照明に関して新しい出来事があって、いつもはDort(ドルト)の龍崎(舜平)くんに照明ディレクションをお願いしていて、大型公演は龍崎くんにやってもらっていたんです。この数年間で龍崎くんも、いろんなアーティストさんのお仕事をするようになって、同時期に別のツアーにも関わっていたので、僕たちのツアーに全て帯同するのは難しい状況でした。そこで龍崎くんの後輩的な立ち位置にいるトムくんという男の子が、実はツアー初日の恵比寿から照明をやってくれていたんです。龍崎くんのディレクションの下ではあるんですけど、照明もアーティストなので、「龍崎くんの後輩だから、龍崎くんみたいな照明をやってね」というディレクションはしたくなくて。トムくんにはトムくんの感性があって、僕たちの曲を聴いたときに違う照明を想像するはずなので、それを存分に生かしてもらった上で、お互いの好きなものを共有し合いながらツアー中に成長していけたらいいなという気持ちが強くありました。

――コミュニケーションは円滑だったんですか。
Novel Core 年齢が僕と近くて話しやすかったので、ツアー中もトムくんからアイデアを提案してくれたり、僕からもリハを見て意見を伝えたりしながら全国を回りました。ただ、豊洲PITは照明の頭数も増えるし、ステージセットもあって今までと違う組み方になる分、前日の夜にDortの会社に行って、龍崎くんとトムくん、ピンスポなどをやってくれているこぶねちゃんという女の子と一緒に照明打ちをして、細かいところを整えて当日は会場入りしました。そういうツアーの中で育まれたコミュニケーションもあって、トムくんの中での「Novel Coreのライブはこうライティングするのがかっこいい」というトンマナが、豊洲PITでも生かされていました。恵比寿のときから不安は全くなかったんですが、豊洲PITのときは特に安心して任せられましたし、バンドメンバーともコミュニケーションを取ってくれていたので楽しかったです。これからもトムくんと一緒にいろいろやっていくことになると思うので、次回以降のツアーも楽しみです。
――龍崎さんとトムさんではアイデアの違いを感じますか。
Novel Core 龍崎くんは線で表現するのが得意なアーティストで、ナロウな線を強めに出す演出が多いんです。もともと龍崎くんはCLUB CITTA’などでダンサーの照明を長くやっていたので、ダンサー照明っぽい作り方を根っこに持っているし、それが強みなんです。トムくんは陰影でステージを作るのが得意な印象で、線ではなくて、ステージ自体の色を変えたり、サイドスポットで僕の顔に横から光を当てて、コントラストを強めに出すことで曲の表情を表現したりするのが上手いんですよね。二人の違いがチームコアの楽曲のミクスチャー度合いをより高めているので、僕も照明を見ていて、一照明ファンとして楽しかったです。
――セットはどんな狙いだったんですか。
Novel Core 前回の豊洲PITのワンマンでステージの美術を作り込んで、東京ドーム規模でやるセットというものを組んだので、それとは差別化したくて、最初はバンドを置いてバックドロップ一発でいいかなと思っていました。ただツアーをやっていく中で、バンドとしてのビジュアライズ、目から入ってくる情報が大事だなというのを改めて感じて。特に演奏力や歌唱力、ライブの巻き込む力が今まで以上についてきている実感がある中、それをさらに増幅させるには演出的な部分も絶対に関わってくる。そこをないがしろにすると天井が見えてしまうというのがあって、アリーナやドーム規模の想像がみんなの中でできるように、作り込んだものを見せていかないといけないという話になりました。そこで僕がアイデアとして出したのが、ステージの中央か背景を、いろんな種類のスピーカーやアンプで埋めてモニュメント化するというものでした。

――どういうところから、そのアイデアが生まれたのでしょうか。
Novel Core もともとJohann(ヨハン)くんに描いてもらったツアーのキービジュアルが、ミクスチャーというテーマのもとにいろんな形のコンポの上にキャラクターが座っている絵だったので、それを豊洲PITで回収できたら綺麗だなと思ったんです。それでライブ制作チームの(タナベ)カズさんにオファーしたら、レゲエのサウンドシステムみたいなものを、あちこちから持ってきてくれて。「ブートでも大丈夫です」と言ったんですが、ちゃんと正規で、しかも普通に音が出るものを結構な台数持ってきてくれました。僕がノリで「この上に乗れたらかっこいいんですけどね」と言ったら、「そのまま上に乗るのは危険なので足場を組みました」と図面が送られてきて、思ったより派手なところまで実現してくれました。今までめっちゃデカいLEDを入れたり、舞台機構を入れたり、セットを組んだり、逆にシンプルなライブハウスセットでやったり、チームでいろんな経験をしてきたのが、ここで生きてくるのかというのを感じました。
――今まで以上にCoreさんのアイデアが具現化しているんですね。
Novel Core 実現までのスピードも速いですし、僕が自分自身の手を動かす必要が減ってきているというのが、やっぱりチームでの今までの経験が土台になっているんだなと思います。今までだったら、まず僕が仮の図面を書いて、ステージレイアウトを組んで、それをライブ制作チームに見てもらって、「この高さで、こういう足場を組んで、こういうセットの組み方にしたら、このぐらいのアクティングエリアを確保できますよ」というミーティングをして最終形になる、というやり方をしてきたんですけど、今回は僕がポロッと口で言ったことを、精度高くチームが再現してくれる状態ができているので、この数年の重みがあるなって感じます。
――セットリストについてもお聞かせください。
Novel Core アルバム名の『PD(PERFECTLY DEFECTiVE)』がツアーのタイトルに入っているので、いかに『PD』の楽曲たちを美しく見せるかを大事にしつつ、たとえば「WAGAMAMA MONDAIJI」や「BABEL」、「Right Here」など、静かな曲も含めて、いつものツアーだったら絶対入ってくるだろうセオリーになっている曲たちをセットリストから外して、新曲の強度を試すというのは、大きなテーマでした。『PD』が強度の高い楽曲たちで、どれだけライブにおいて武器になるのかというのを、OUTERに体で感じてほしかったんです。自分たちの中でチャレンジではあるけど、人気曲を削ってでも『PD』の曲を全曲ちゃんと入れる。しかも、ど頭に「DiRTY NASTY」、最後の方に「FRiENDS」と大事なところを『PD』の曲で埋めているので、そこがOUTERの中で違和感にならないように、ちゃんと楽曲のライブアレンジを仕上げないといけないというのを、チームで話し合いながらセットリストを組んでいきました。
